人体

【管理栄養士過去問】水・電解質調整に関わるホルモン【2017-33】

腎臓での水・電解質調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

コン
内分泌に関する問題かあ
はたらきが覚えにくいよね
ほんいつ
コン
そうなんだよね~
でもホルモンが出る理由や目的がわかると自ずとはたらきもわかってくるよ
ほんいつ
コン
それも込みで、問題解説していきます!

①バソプレシンは水の再吸収を抑制する。

バソプレシンとは?

バソプレシンは抗利尿ホルモンです。利尿に抗うホルモンなので、尿を出にくくするホルモンといえます。
尿となって出ていこうとする水分を腎臓の集合管で再吸収します。

バソプレシンのはたらき

バソプレシンは血漿浸透圧が高くなったときに分泌が促進され、水分を再吸収することで血漿浸透圧を一定に保とうとします。
血漿浸透圧が高いということは、血管内のナトリウムイオン濃度が高くなっている、つまり血管内の水分が少なくなっているということです。
血管内の水分量を増やし、ナトリウムイオン濃度を下げるために水分を再吸収しているのです。

また、バソプレシンのbasoは血管、プレシンはプレスのことなので血管を圧迫し、血圧を上昇させる作用もあります。
血圧上昇は、体内で分泌されるときというよりは、血圧を上げるために薬物を投与した場合に起こる作用です。

まとめ

バソプレシンの働きは集合管での水の再吸収と血圧上昇です。
問題文を正しく言い換えると、バソプレシンは水の再吸収を促進する、となります。

②カルシトニンはカルシウムの再吸収を促進する。

カルシトニンのはたらき

カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンです。
血液中のカルシウム濃度が上昇すると分泌されます。
破骨細胞の働きを抑制し、骨芽細胞による骨形成を促すことで血液中のカルシウム濃度を下げる働きがあります。
また、腎臓からのカルシウム排泄を促すことでもカルシウムの再吸収を抑制しています。

まとめ

カルシトニンはカルシウムの再吸収を抑制します。
これを覚えると、
カルシトニンはカルシウム再吸収抑制
→ということは、カルシウム排泄を促す
→ということは、血中カルシウムを下げる
→ということは、骨形成を促す
と、カルシトニンのはたらきを連想で覚えることができます。

③副甲状腺ホルモン(PTH)はリンの再吸収を抑制する。

パラソルモンのはたらき~カルシウム編

副甲状腺ホルモンはパラソルモン、パラトルモンともいいます。
血液中のカルシウム濃度が低下したり血中のリンが高くなると、その名の通り副甲状腺から分泌されます。
カルシトニンと逆の働きをして、破骨細胞の働きを促進させ、骨形成を抑制することで血液中のカルシウム濃度を上げる働きがあります。
また、腎臓からのカルシウムの排泄を抑制します。

パラソルモンのはたらき~リン編

さらにパラソルモンはリンの再吸収を抑制し、尿中の排泄を促します。
リンが血中のカルシウムと結合して結晶化してしまい、血中カルシウム濃度を上げる邪魔になるためです。

まとめ

副甲状腺ホルモンはリンの再吸収を抑制します。
また、血中カルシウム濃度を上げる働きも持ちます。
パラソルモンもカルシトニンと同じように連想ではたらきを覚えることができると思います。
パラソルモンはカルシウム排泄抑制
→カルシウムが必要ということ
→血中カルシウム濃度を上げる
→そのために骨破壊を促す

また、カルシトニンと逆の働きなので、どちらか一つを覚えればよいと思います。

コン
う~ん、パラソルモンとカルシトニンは混ざっちゃうね
働きが反対っていっても、逆に覚えちゃうと意味ないしね
ほんいつ

コン
この絵を見てよ
パラソルが骨を砕いてるね
ほんいつ
コン
パラソルモンは破骨細胞を活性化させるでしょ
なるほど!この絵を覚えておけば、パラソルモンの働きを覚えられるね
ほんいつ
コン
そして、同時にカルシトニンのはたらきもわかるってわけ
やるじゃん!
ほんいつ

④心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの再吸収を促進する。

心房性ナトリウム利尿ペプチドのはたらき

心房性ナトリウム利尿ペプチドは心房で合成されるホルモンです。
利尿作用で水分を外にだしたり、血管を拡張し血圧を低下させることで心臓の負担を軽くします

利尿を促し血圧を下げるため、ナトリウムの再吸収を抑制します。

ナトリウム利尿ぺプチドの種類

ANPと似たホルモンにBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)があります。
こちらは心室で合成されるホルモンで、脳性というのは豚の脳から発見されたもの、というところからきているそうです。
BNPも働きはANPと同じで、どちらも心不全や腎不全の指標として使用されますが、BNPの方が心不全に対する反応が鋭いため、心不全においてはBNPのほうが優れた指標といえます。

まとめ

ナトリウム利尿ペプチドはどちらも似たような働きです。
心臓を助けるためのホルモンと覚えれば、おのずと答えがわかると思います。

コン
ナトリウムを再吸収してしまったら、血圧があがってしまうもんね
そうそう。そしたら心臓の負担が増えちゃうからね
ほんいつ
コン
つまり、心臓を助けるANPは再吸収しないってことね

⑤アルドステロンはカリウムの排泄を抑制する。

アルドステロンのはたらき

アルドステロンは副腎皮質から分泌されるホルモンで、遠位尿細管や集合管に対して働きます。
ナトリウムの再吸収を促し、カリウムの再吸収を抑制することで体液の量を調整しています。

血圧をあげるRAA系

アルドステロンはレニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系により調節されています。
血圧が下がるとレニンが分泌されアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンに変換します。
アンギオテンシンはⅠからⅡにさらに変換され、アルドステロンの分泌を促します。
アンギオテンシンは血管を収縮させることで、アルドステロンはNa再吸収により循環血液量を増加させることでそれぞれ血圧を上昇させます。

まとめ

アルドステロンはカリウムの排泄を促進します。

選択肢の正文まとめ

いかがでしたか?
ホルモンは分泌場所や働きがいろいろあってややこしいですね。
まったく違う働きなら少しは覚えやすいのですが…。
ナトリウムを再吸収するホルモンがいっぱいあって、排泄を促すホルモンもいっぱいあって、と働きが被っているのでごちゃごちゃとしています。

何のための働きかがわかると少しは覚えやすいと思いますよ!

正文
①バソプレシンは水の再吸収を促進する。
②カルシトニンはカルシウムの再吸収を抑制する。
③副甲状腺ホルモン(PTH)はリンの再吸収を抑制する。
④心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの再吸収を抑制する。
⑤アルドステロンはカリウムの排泄を促進する。

コン
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