基礎栄養

【管理栄養士²】小腸と大腸での消化・吸収【解説】

コン
消化・吸収って結局腸が主役なの?
そうね
ほんいつ
コン
でも、腸って十二指腸とか空腸とかいろいろあるじゃん?
それぞれの機能とか、つながり・順番は覚えておいた方がいいね!
ほんいつ

小腸

小腸は、十二指腸・空腸・回腸の総称です。
小腸図
小腸は長さが6~7メートルあり、消化・吸収の最終段階を担っています。
小腸、特に空腸、回腸の内側は輪状ひだ、絨毛、微絨毛で構成されていて、
それぞれ表面積を大きくとれる構造になっています。
輪状ひだ、絨毛、微絨毛
表面積が大きいため、消化・吸収を効率的に行えるようになっています。

十二指腸

十二指腸での消化から見ていきましょう。

ほんいつ
十二指腸では二つのホルモンの働きを覚えよう
胃で消化された食物が十二指腸に入ると、セクレチンコレシストキニンというホルモンが分泌されます。

セクレチンは膵液に含まれる重炭酸イオン(HCO3-)の分泌を促します。
重炭酸イオンは、胃酸を中和します。
これにより、膵液に含まれる消化酵素が働けるようになります。

さらにコレシストキニンは膵液に含まれる消化酵素の分泌を促し、胆嚢を収縮させます。
膵液に含まれる主な消化酵素は、膵アミラーゼ、膵リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンです。

消化酵素と分解物

膵アミラーゼ→(炭水化物)でんぷんをオリゴ糖やマルトースに分解
トリプシン、キモトリプシン→(たんぱく質)ポリペプチドをオリゴペプチドに分解
膵リパーゼ→(脂質)トリグリセリドをモノグリセリドと脂肪酸に分解

コレシストキニンにより胆嚢が収縮することで胆汁が分泌されます。
胆汁に含まれる胆汁酸が界面活性剤のはたらきをして脂肪を乳化させます。
これで脂肪が水とも混ざりやすい親水性のミセルという小さな塊になります。
ミセル
ミセルにはコレステロールや脂溶性ビタミンなども含まれます。
ミセル化すると消化酵素と反応しやすくなります。

コン
胆汁自体には、消化酵素は含まれないので注意しよう!
ここまでの消化を管腔内消化と呼びます。

空腸・回腸

その後食物は空腸・回腸へ流れます。
ここで行われる最終的な消化を、膜消化と呼びます。
管腔内消化では、消化酵素が分泌され、消化管内で消化されていましたが、
膜消化では絨毛を構成する吸収上皮細胞の微絨毛に消化酵素が埋め込まれています

炭水化物はグルコースやフルクトースなどの単糖類に分解されて細胞内に運ばれます。
たんぱく質はトリペプチド・ジペプチドやアミノ酸に分解され、細胞内に運ばれます。
トリペプチド・ジペプチドのまま吸収されたものは細胞内に入ったあとアミノ酸に分解されます。

輸送体を介する受動輸送を促進拡散といい、フルクトースは促進拡散で吸収されます。
グルコースやガラクトース、アミノ酸などはエネルギーを消費する能動輸送によって吸収されます。

ほんいつ
能動輸送は濃度勾配に逆らうよ
コン
どういうこと?
ほんいつ
普通、物質は濃い方から薄い方へ移動するんだけど、能動輸送では薄い方から濃い方へ移動できるってことだね
分解された炭水化物・たんぱく質は毛細血管から門脈を通り、肝臓へ行ったあと全身へ運ばれます。

脂質は、少し違います。
脂質は、消化酵素とは関係なく細胞内に吸収されます。
つまり、脂質は膜消化されないということです。

コン
脂質は別なんだ
胆汁酸により形成されたミセルがバラバラになって中身が細胞に吸収されていくイメージです。
この時の吸収は単純拡散です。
単純拡散は、濃度の高い方から低い方へ移動することをいいます。
取り込まれたモノグリセリドと脂肪酸は細胞内で再びくっついてトリアシルグリセロールになります。
ほんいつ
分解されて吸収された脂肪酸のうち、長鎖脂肪酸はトリアシルグリセロールやコレステロールエステルなどの構成に利用されるよ
中鎖脂肪酸は水に溶けやすいため、そのまま血管に入るのか~
コン

トリアシルグリセロールは他の吸収された脂質と合わさってカイロミクロンとなり、
リンパ管を通って肝臓や全身へ運ばれます。

大腸

大腸は、長さ1.5mと小腸に比べると短いです。
大腸には、盲腸とその先の行き止まりである虫垂、結腸、直腸、肛門管が含まれます。
大腸では消化は行われず、水分と電解質の吸収を行います。

コン
最後の最後まで水分を吸収するのね
回腸から下に進むと盲腸、虫垂があり、上に進むと結腸へと繋がります。
結腸は、回腸から順に上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸となっています。
コン
結腸の伸びる方向が名前になってるから、図と一緒に覚えるのがおすすめだね

結腸には、百種類以上の腸内細菌が存在します。
腸内細菌はビタミン類を生成します。
特にビタミンKの生成が有名です。
新生児では腸内細菌が十分でないためビタミンK不足になりやすく、頭蓋内出血がみられることがあります。
そのため出生後数回に分けてビタミンKシロップの摂取が実施されています。
成長するにつれ腸内細菌が十分になり、ビタミンKが充足していきます。

コン
だから、成人ではビタミンKの欠乏症がほとんどみられないんだね
腸内細菌はヒトの消化酵素では消化できない食物繊維をエサにします。
エサになった食物繊維は発酵を受けて短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸など)が生成され、大腸上皮細胞のエネルギーとして利用されます。
ほんいつ
炭水化物の内、ヒトの消化酵素で消化できるものが糖質、できないものが食物繊維だよ

結腸で水分などの吸収を受けた食物は糞便となり、肛門管を通り肛門から排泄されます。

ほんいつ
セルロースや寒天などの不溶性食物繊維は腸内細菌でもほとんど分解できないんだけど、便のかさを増やして、便秘を防ぐ働きがあるよ
消化・吸収して利用できなくても、生理作用がしっかりあるんだね!
コン

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