基礎栄養

【管理栄養士】呼吸商【解説】

コン
呼吸商か…。正直全然わからない。イメージすらわかない
確かに。呼吸商って?? って聞かれても、よくわからなかった
ほんいつ
コン
実際、呼吸商ってなんなのさ
それはこれから解説します! 呼吸商自体の意味はとっても単純。だけど、呼吸商を利用した計算がややこしいので、がんばって!
ほんいつ

呼吸商とは

呼吸商~文字から意味を考える

呼吸商という文字を見ると、呼吸の商と分けることができます。
商は、商売の商…ではなく、数学の商です。
和は足し算の答え、差は引き算の答え、積は掛け算の答え。
そして商は、割り算の答えです。
呼吸は吐いた息=CO₂、吸った息=O₂といえますよね。
つまり、CO₂÷O₂の答えが呼吸商ということになります。

呼吸商と栄養素

もう少し詳しく見てみましょう。
呼吸商のCO₂、O₂は、それぞれ糖質・たんぱく質・脂質が体内でエネルギーになるまでに消費したO₂に対して産生されたCO₂の量を指します。
栄養素が体内でエネルギーになることを「燃焼」といいます。

呼吸商は単位時間あたりのCO₂排出量/単位時間あたりのO₂消費量で計算されます。
さらに、呼吸商は各栄養素1gあたりで決まっています。
栄養素1gあたりのCO₂排出量、O₂消費量もきまっています。
それらを使って呼吸商を計算すると、糖質が1.0たんぱく質が0.8脂質が0.7となります。
呼吸商が大きいほど二酸化炭素の産生量が多いです。
つまり、燃焼時に排出されるCO₂量は、三つのなかでは糖質が一番多いということです。

コン
呼吸商っていうのは、CO₂とO₂の割合ってことか
そういうこと
ほんいつ

呼吸商を利用して〇〇を求める!?

呼吸商は呼吸商を求めて終わりではありません。
呼吸商を利用して、
どれくらいエネルギーが作られたか
がわかります。

呼吸商を使った計算

では、呼吸商を利用して燃焼した栄養素量と、発生したエネルギーを計算する仕組みを解説していきます。

コン
なるほど~、呼吸商自体が重要っていうより、呼吸商を使った計算が大事なのね
そうそう。呼吸商でわかるのは、栄養素の二酸化炭素排出度くらい…。それよりも、これから計算する発生したエネルギーや、エネルギーに占める各栄養素の割合が、呼吸商という項目のメインになります
ほんいつ
コン
うう、ややこしそう
がんばれ! 数字はややこしいけど、覚えちゃえばこっちのもん!
ほんいつ

まずはたんぱく質から

燃焼した栄養素量と、発生したエネルギーの計算には、まずたんぱく質の燃焼量を求めることが必要です。
たんぱく質が燃焼してできた代謝物=窒素はほとんどが尿中に排泄されます。
そして、尿中窒素1gは、たんぱく質6.25gを燃焼した結果の代謝物となります。
つまり尿中の窒素排泄量を測定すれば、たんぱく質の燃焼量がわかるということです。
例えば、尿中窒素が5gだった場合、5g×6.25gで31.25gのたんぱく質が燃焼したということになります。
尿中窒素量がわかると、燃焼で使われた酸素量、産生された二酸化炭素量もわかります。
これは、最初に述べたように栄養素1gあたりのO₂消費量、CO₂産生量が決まっているためです。

たんぱく質由来のエネルギー量は、
尿中窒素g×5.92(窒素1gあたりのO₂消費量)×4.485(たんぱく質燃焼時の消費O₂1Lあたりのエネルギー)
で求めることができます。

尿中窒素1gはたんぱく質6.25gだと前述しました。
つまり、5.92というのは、たんぱく質6.25gあたりのO₂消費量となります。

ほんいつ
つまり、5.92という数字はすでにたんぱく質から窒素用に変換された数字だということだね
なるほど! 窒素gを使ってたんぱく質を求めるなら、どこかで6.25倍しないといけないんじゃ?? って思ってたのよ
コン
ほんいつ
すでにその工程は組み込まれてるので、気にせずこの式を覚えてください!

たんぱく質由来のエネルギー量

尿中窒素g×5.92×4.485

非たんぱく質呼吸商

では、わかった窒素量を使って、たんぱく質以外の呼吸商を求めましょう。
これを非たんぱく質呼吸商(NPRQ)といいます。
窒素は1gあたり4.75LのCO₂を排出し、5.92LのO₂を消費するので、
全排出CO₂-(窒素×4.75)/全消費O₂-(窒素×5.92)で求めることができます。
この結果から、糖質と脂質の燃焼割合、発生したエネルギー量がわかります。
早見表があるので、結果を表と照合してみる形になります。

非たんぱく質呼吸商 早見表

計算結果が0.72なら、O₂1Lあたりのエネルギー量が4.702kcalで、その割合は糖質4.76%、脂質95.2%ということになります。

このように、表からはO₂1Lあたりのエネルギー発生量と、そのエネルギーに占める糖質、脂質の割合がわかります。
糖質+脂質の消費O₂に、表のO₂1Lあたりのエネルギー発生量を掛けて、そのエネルギーを表の割合で分ければ、糖質・脂質の各エネルギー量がわかるということです。

非たんぱく質呼吸商

全排出CO₂-(窒素×4.75)/全消費O₂-(窒素×5.92)

非たんぱく質呼吸商からエネルギー量を求める

全消費O₂から窒素による消費O₂を引いたものが糖質・脂質燃焼時の消費O₂となります。
さらに、それにO₂1Lあたりのエネルギー発生量をかければ糖質・脂質によるエネルギー産生量がわかります。

全消費O₂、全排出CO₂は問題文に提示されていると思いますので、窒素g×5.92で計算できる窒素(たんぱく質)による消費O₂を全消費O₂から引けばいいということです。

全消費O₂が30.0L、尿中窒素1gだった場合は、
30.0L-(1×5.92)=24.08Lが糖質・脂質の消費O₂となります。
(1×5.92)=5.92Lが窒素(たんぱく質)の消費O₂となります。
24.08Lに、非たんぱく質呼吸商の早見表からわかったO₂1Lあたりのエネルギー量を掛ければ、糖質・脂質によるエネルギー産生量がわかります。

例えば、その計算により糖質・脂質によるエネルギー産生量が120kcalだとわかったとします。
表によるエネルギー産生の割合が糖質40%、脂質60%だとすると、
120×40÷100=48kcal
120×60÷100=72kcal
となり、それぞれの産生エネルギーがわかります。

コン
やっと終わった…。O₂って単語がゲシュタルト崩壊したわ
ややこしいね。説明も、くどくなっちゃった
ほんいつ
コン
覚えるべきポイント、計算式だけまとめといてよ
それにしたって結構たくさんあるけど…
ほんいつ
コン
いいから!
……。
ほんいつ
ということで、以下ではポイントごとにまとめてあります。これまでの解説と重複しているポイントもありますが読んでみてください
ほんいつ

ポイントまとめ

呼吸商とは

(単位時間あたりの)

Co₂排出量/O₂消費量

大きいほど二酸化炭素の産生量が大きい。

窒素とたんぱく質

窒素1g=たんぱく質6.25g

計算では主に窒素gを使う。5.92や4.75などの決まっている数字はたんぱく質を窒素に変換していることを前提としている(たんぱく質1gあたりの数字が6.25倍されている)。

呼吸商を使ったエネルギー発生量の求め方

①たんぱく質(窒素)のエネルギー量を求める

②非たんぱく質呼吸商を求める

③非たんぱく質呼吸商の早見表から、糖質・脂質の各エネルギー発生量を求める

たんぱく質由来のエネルギー量

尿中窒素g×5.92×4.485

非たんぱく質呼吸商

全排出Co₂-(窒素×4.75)/全消費O₂-(窒素×5.92)

糖質・脂質の消費O₂

全消費O₂-(窒素×5.92)=糖質+脂質の消費O₂

糖質+脂質のエネルギー産生量

糖質+脂質の消費O₂×非たんぱく質呼吸商の表でみるO₂1Lあたりのエネルギー産生量=糖質+脂質のエネルギー産生量

糖質・脂質のエネルギー量

糖質+脂質のエネルギー産生量×表の糖質%÷100=糖質kcal
糖質+脂質のエネルギー産生量×表の脂質%÷100=脂質kcal

これで、糖質・たんぱく質・脂質の発生エネルギー量、さらに消費O2、産生CO2を知ることができます。
呼吸商は、数字が細かく、さらに計算をいくつかしなければならないので難しいイメージが強いです。
まずはその意味を覚えて、そのあと計算式を覚えてみましょう。

コン
う~ん、ややこしい
正直、呼吸商の流れや意味がわかっていれば、計算問題はいいんじゃない??
ほんいつ
コン
いいとは?
捨ててもいいんじゃないってこと。難しくて理解できない問題を理解しようと時間を使うより、覚えやすい問題を何問か覚える方が合格を目指すうえでは大事かもしれないよ
ほんいつ
コン
確かに…。人によって得手不得手は違うけど、自分に向いてない問題は見切りをつけることも大事かもね
完全に捨てるのが怖いなら、意味だけ、あるいは計算式だけでも覚えておくと少しは違うと思うな。とにかく、わからない問題に固執しすぎないこと。これはとても大事!
ほんいつ
コン
呼吸商が解けなくても、他の問題が解ければいいもんね
そういうこと!
ほんいつ
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コン
動画もいっしょならもっとわかりやすい!

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