臨床栄養

【管理栄養士過去問】リフィーディング症候群【2015-129】

コン
文章問題って、焦点が合わなくて難しいかんじ
なんの問題かわからないと、なんにもわからないもんね
ほんいつ
コン
そうなんだよね~
でも、問題文と選択肢の繋がりを見れば、なんとなく正解が見えてくるものもあるよ
ほんいつ
コン
今回はそんな文章問題を臨床から選んでみました

55歳、男性。身長170cm、体重50kg。入院前1か月で10%の体重減少がみられ、最近1週間経口摂取不能であった。エネルギー2000kcal、アミノ酸60g、脂肪20gの静脈栄養を開始した場合の投与2日目のモニタリング結果である。正しいのはどれか。

問題文と選択肢から情報を得る

問題文を読むと、いろいろな情報がありますね。
問題の焦点を探すのに時間がかかるかもしれません。
重要なのは1週間経口摂取不能状態であったこと、
そして静脈栄養が開始されたことです。

ほんいつ
ちなみに、アミノ酸と脂肪の量が書いてあるので栄養剤の内訳もわかるよ
えっ??
コン
ほんいつ
アトウォーター係数を思い出してみよう
ええっと、たんぱく質と炭水化物が1gあたり4kcalで、脂質が1gあたり9kcalだっけ?
コン
ほんいつ
そうそう。計算してみると、アミノ酸が60g×4kcalで240kcal、
脂質が20g×9kcalで180kcalになるね。
2000kcalから420kcalを引いた1580kcalが炭水化物によるエネルギーで、
1580÷4kcal=370gが炭水化物の量となります
すっごーい!!
コン

さらに選択肢を見ると問題文に直接載っていないリン値やインスリン値などの単語があります。
併せて考えるとリフィーディング症候群に関する問題であることがわかります。

コン
なんでそれでリフィーディング症候群が出てくるのさ?
リフィーディング症候群を知っている人なら、この条件でちゃんと分かるよ
ほんいつ
コン
まずは、リフィーディング症候群のことを勉強しよう!

リフィーディング症候群とは

リフィーディングは再栄養と訳すことができます。
飢餓状態であった体に再び十分量の、特に糖を中心とした栄養剤が入ることで
引き起こされる状態をリフィーディング症候群といいます。

リフィーディング症候群では電解質のバランスが崩れます

低栄養状態でも、体は体内のバランスをとろうと
血中にも電解質を置いておきます。

そこへ糖が入ってくるとインスリンが出てきます。
インスリンは糖とともにグリコーゲンや脂質タンパク質の代謝に必要な電解質も一緒に血中から細胞へ持っていきます。

ビタミンB1糖代謝に必要なビタミンとして使われてしまうので低下します。

そして血中の電解質が低値を示すことになります。
特にリン値の低下によって呼吸不全や不整脈などが引き起こされるので注意が必要です。

ほんいつ
どう? これを読むと、選択肢と問題文からリフィーディング症候群の問題だなってわかるでしょ?
確かに!! 静脈栄養とB1やリンっていうキーワードでちゃんと分かるね
コン
ほんいつ
推理ゲームみたいで、私はこういう問題が好きだったよ~

それでは選択肢を見ていきましょう。

①血清トリグリセリド値の低下がみられる

問題文では脂肪20gの栄養剤が投与されています。
静脈栄養剤に使用される脂肪乳剤にはトリグリセリドが多く含まれます
よって、血清トリグリセリド値は増加します。

コン
これは単純だね。投与するから上がる

②血清リン値の上昇がみられる

体に炭水化物がはいることでインスリンが分泌されます。
インスリンは糖を細胞に運ぶ際にリンも細胞内へ入れてしまいます

また、リンはATPの生成・貯蔵酸素運搬にも必要なので、
リフィーディング症候群では特に低下がみられるミネラルです。

栄養状態が悪いほど、栄養剤投与後の低リン血症を引き起こしやすくなります。
よって、血清リン値は低下します。

コン
リンって骨の成分の一つってぐらいにしか思ってなかったけど、結構大事なミネラルだったんだね
次の選択肢は2つまとめて見てみよう
ほんいつ

③血清カリウム値の上昇がみられる

④血清マグネシウム値の低下がみられる

リフィーディング症候群ではカリウム・マグネシウムもリンと同様に細胞内に運ばれ、
血清濃度が低下します。

よって、④が正解となります。

コン
ミネラルってあんまり意識してないけど、すごく大事なんだね
それ、さっきも言ってたよ
ほんいつ

⑤血清インスリン値の低下がみられる

炭水化物を多く含む栄養剤が体内に入ったことで、
血糖を細胞内に入れようとインスリン分泌は促進されます。

つまり、血清インスリン値は増加します。

コン
これは分かる!
食べ物食べたらインスリン、これはすぐに思い浮かぶようにしよう
ほんいつ

まとめ

リフィーディング症候群予防

リフィーディング症候群は、起こりうる状態に対応した栄養剤を投与することで防ぐことができます。

飢餓状態にあった患者には低エネルギーの栄養剤から始めます。
いきなり高エネルギーの栄養剤を投与すると、リフィーディング症候群を引き起こす恐れが出てきます。

さらに、消費されるであろうビタミンB1リンカリウムマグネシウムの補給も行います。

文章問題を解くコツ

今回は、リフィーディング症候群について知っていれば、問題文と選択肢が結びついて
解きやすくなる問題でした。

いろいろな単語について知識を持っていることは、文章問題を解く上でとても大事です。

ただ、今回の問題では選択肢の①と⑤が間違っていることは、リフィーディング症候群について知らなくてもなんとなくわかりますよね。
体や代謝の仕組みについて知っていれば解けたり、なんとなくあたりのつく問題があることも長文の特徴です。

普通の選択問題よりも、ヒントが多いので、問題によっては解きやすくなります。

ほんいつ
これ! ヒントが多いって考えると、長文問題が好きになってこない??
うわ~、確かに! 単純だけどそう思っちゃう!
コン

どの場合も、解きやすさを決めるのは知識量です。
なるべく多くの知識を得られるよう、多くの過去問に触れましょう。
わからない単語をいちいち調べれば、自ずと知識が増えていきます!

コン
このブログも暇つぶしにでも見てみると、思わぬところで役に立つかも!?
いいこと言うじゃん
ほんいつ

 

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