





目標
目標の設定
なにかをする上で、目標の設定というのは重要です。
目標を設定することでやるべきことが明確になりますし、達成感を得ることもできます。
栄養教育だけでなく、目標を設定するときにはまずアセスメントを実施します。
アセスメントとは評価のことです。
対象を評価して、どんな問題があるのか、その問題はどのように解決するのか、対象にあった目標はなんなのか、考えていきます。
例えば、高血圧で、料理をしない対象について栄養教育を行うとき、
「よく食べる食材の糖質量を知る」
という目標を立てても意味がなさそうですよね。
「減塩メニューを作る」という目標も、高血圧には合っていますが料理をしない対象ということを考えると難しい気もします。
「塩分の少ないメニューの選び方」や「しょうゆの塩分を知る」などのほうが、対象に合っていそうな感じです。
このように、対象にあった目標を考えることが大事です。
段階別の目標
目標には、様々な種類があります。
目標ごとに内容が変わってきます。
結果目標は最終的な目標で、それを達成するために実施目標からこつこつと小さな目標を達成していきます。
まず結果目標をたて、それを達成するための行動目標を立てます。
さらに行動目標を達成するための学習目標・環境目標を立て、それらを達成するための実施目標を立てます。
では具体的に見ていきましょう。
栄養教育における目標の具体例



結果目標
結果目標は最終的な目標になります。
その内容は、生活や健康に関わるものとなります。
行動目標
行動目標は、結果目標を達成するための具体的な食行動に関する目標です。
学習目標
学習目標は、行動目標を達成するための知識や技術を得るための目標です。
環境目標
環境目標は、行動目標を達成するために必要な周囲の環境を整えるための目標です。
実施目標
実施目標は、学習目標や環境目標を達成するための具体的な目標です。
最初の一歩なので、難しすぎる目標は適していません。
こんな感じです。
過去問も見てみましょう。
過去問から具体例を見る
過去問①
2016-109
問:大学生を対象に、朝食を毎日食べることを目的とした栄養教育において、学習者が設定する行動目標である。正しいのはどれか。1つ選べ。
①朝食を食べる必要性を理解する。
②早寝早起きをする。
③家の人に朝食を用意してもらう。
④簡単な朝食の作り方を学ぶ。
⑤朝食を毎日食べている友人の話をきく。
行動目標を選べといっています。
まず、①と④、⑤は行動ではなく、知識の会得になるので、学習目標となります。
③は家族の行動なので、環境目標です。
②だけが、自分自身の行動に関する目標となりますので、②が正解です。
選択肢を見るとき、余計な部分に目がいってしまい、混乱しがちです。
例えば⑤などは、友人だから環境かな?と思うかもしれません。
しかし重要なのは「話をきく」という部分です。
もう1問見てみましょう。
過去問②
2018-109
問:小学校において、1年生が正しく箸を使えるようになることをねらいとした、食に関する指導を実施することとなった。ねらいに合った環境目標である。正しいのはどれか。2つ選べ。
①ランチルームに置く、箸のサイズの種類を増やす。
②自宅でも正しく箸を使う児童を増やす。
③給食で地場産物を活用した献立を増やす。
④縦割り給食で1年生に箸の持ち方を教える上級生を増やす。
⑤箸の使い方のマナーを知っている児童を増やす。
結果目標は1年生が正しく箸を使えることです。
それに対する環境目標を聞かれています。
1年生が正しく箸を使えるために必要な環境目標を選びましょう。
①は正解です。箸の種類を増やして箸を扱いやすくなるような環境を作っています。
②は一見結果目標??と思うかもしれませんが、正しく箸を使う児童を「増やす」なので、「1年生が正しく箸を使えること」の前段階となります。
つまり、行動目標です。
③は、環境目標ではあるのですが、箸を正しく使うことにはなんの関係もありません。
④も正解です。「周りに箸の持ち方を教えてくれる上級生がいる」という環境を作っています。
⑤は「使い方のマナー」からわかるように、学習目標です。





