基礎栄養

【管理栄養士²】第35回「基礎栄養学」【解説】

ほんいつ
今回は、第35回基礎栄養の過去問をやってみよう!
問題数が少ないから、気軽に繰り返し解ける!!
コン
ほんいつ
答えを開く前に、頭の中で選択肢を正文に直してみよう!

遺伝形質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)遺伝子多型は、遺伝子変異の発生頻度が集団の1%未満である。

遺伝子多型は、遺伝子変異の発生頻度が集団の1%以上である。

病的な影響のない遺伝子変異が集団の1%以上に発生した場合、その変異を遺伝子多型と呼びます。
海外に比べ、日本人はお酒に弱い人が多いですが、これも遺伝子多型です。
日本人の半数ほどが、アルコールを代謝する酵素の遺伝子変異を持つため、お酒に弱くなっています。

(2)遺伝子多型は、食習慣の影響を受けて生じる。

遺伝子多型は、食習慣の影響を受けない。

食習慣などの生活習慣は遺伝子多型に影響を及ぼしません。

(3)遺伝子多型の出現頻度は、人種による差異がない。

遺伝子多型の出現頻度は、人種による差異がある。

(1)の解説にあるように、人種による差異があります。
同じ日本でも、東北では変異を持つ人が少ないのでお酒に強い人が多いです。

ほんいつ
人種以外に、地域による差もあるってことね
(4)β3アドレナリン受容体遺伝子の変異は、肥満のリスクを高める。

β3アドレナリン受容体は、脂肪細胞の表面に存在し、アドレナリンなどのカテコールアミンが結合したときに脂肪分解が促進されます。

ほんいつ
脂肪を使ってくれるありがたい存在・・・β3アドレナリン受容体!!
β3アドレナリン受容体に変異が生じると脂肪をうまく使えず、その分エネルギー消費量も減少するので肥満になりやすくなります。
(5)倹約(節約)遺伝子は、積極的にエネルギーを消費するように変異した遺伝子である。

倹約(節約)遺伝子は、積極的にエネルギーを節約するように変異した遺伝子である。

コン
その名の通りって感じ
基礎代謝やエネルギー消費を低下させる遺伝子で、β3アドレナリン受容体や脱共役たんぱく質などが倹約遺伝子にあげられます。

食欲の調節に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)摂食中枢は、大脳皮質に存在する。

摂食中枢は、視床下部に存在する。

視床下部には摂食中枢の他、満腹中枢も存在し、摂食行動を司っています。

(2)血中遊離脂肪酸の増加は、満腹中枢を刺激する。

血中遊離脂肪酸の増加は、摂食中枢を刺激する。

空腹時にはホルモン感受性リパーゼの働きで脂肪組織のトリアシルグリセロールが分解されて血中遊離脂肪酸が増加します。

ほんいつ
空腹でエネルギーが足りないから、貯めておいた脂肪を使うんだね
脂肪酸をβ酸化することでエネルギーになるんだったよね
コン
つまり、血中遊離脂肪酸の増加は空腹を意味し、摂食中枢を刺激して摂食を促します。
(3)血糖値の上昇は、摂食中枢を刺激する。

血糖値の上昇は、満腹中枢を刺激する。

血糖値が上昇したということは、食事を摂ったということなので、満腹中枢が刺激されます。

(4)レプチンの分泌量は、体脂肪量の影響を受ける。

レプチンは脂肪組織から分泌されるホルモンで、視床下部の食欲中枢に働きかけて食欲を抑制します。
レプチンは食後15~20分で分泌されるといわれています。
体脂肪が多いとその分レプチンも分泌されます。

コン
でも、おかしくない? 肥満の人ほどレプチンが分泌されやすいなら、食欲が抑制されて痩せるはずでは??
肥満の人にはレプチン抵抗性があって、レプチンがうまく働けない状態になっているんだよ
ほんいつ
(5)グレリンは、食欲を抑制する。

グレリンは、食欲を亢進する。

グレリンは、胃から分泌されるホルモンで、摂食を促進します。

管腔内消化の調節に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)胃相とは、食物が胃に入る前に起こる胃液分泌の変化をいう。

胃相とは、食物が胃に入った後に起こる胃液分泌の変化をいう。
脳相とは、食物が胃に入る前に起こる胃液分泌の変化をいう。

胃液分泌の変化
(1)脳相・・・食べ物が胃に入る前、食べ物を見たり匂いを嗅いだりして胃が消化の準備を始めること。
(2)胃相・・・食べ物が胃に入って、本格的な消化のために胃液が分泌されること。
(3)腸相・・・食べ物が十二指腸に移動し、胃液分泌が抑制されること。

(2)消化管運動は、交感神経系によって促進される。

消化管運動は、副交感神経系により促進される。

交感神経系は興奮、副交感神経系はリラックス、と覚えておきましょう。
交感神経が優位にはたらくと、瞳孔は散大、心拍数は増加、血圧は上昇、気管は拡張・・・と、体は活動するための状態になります。

コン
酸素をたくさん取り込んで、血液を体全体にいきわたらせるというわけか
副交感神経が優位だと逆です。かわりに消化管運動が亢進します。
体を動かすためにエネルギーを使わず、消化管運動にエネルギーを使えるということです。
ほんいつ
寝る時なんかが、副交感神経優位だということを考えるとわかりやすいね
(3)ガストリンは、ペプシノーゲンの分泌を抑制する。

ガストリンは、ペプシノーゲンの分泌を促進する。

ガストリンは、食べ物が胃に入ることで、胃のG細胞から分泌されるホルモンです。
胃液分泌や胃蠕動運動を促進します。pHが2以下になるとガストリン分泌は抑制されます。

(4)コレシストキニンは、膵リパーゼの分泌を促進する。

コレシストキニンは、食べ物が十二指腸に入ることで、十二指腸のI細胞から分泌されるホルモンです。
消化酵素を多く含む膵液の分泌を促す他、胆嚢を収縮して胆汁を分泌させます。

(5)セクレチンは、胃酸の分泌を促進する。

セクレチンは、胃酸の分泌を抑制する。
ガストリンは、胃酸の分泌を促進する。

セクレチンは、食べ物が十二指腸に入ることで、十二指腸のS細胞から分泌されるホルモンです。

ほんいつ
セクレチンの場合、食べ物の刺激というより、pH4.0以下の酸性のものが十二指腸に入った刺激で分泌されるよ
胃酸やガストリンの分泌を抑制し、アルカリ性の膵液分泌を促進します。
アルカリ性の膵液によって、酸性だった食塊は中和されます。

糖質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)解糖系は、酸素の供給を必要とする。

解糖系は、酸素の供給を必要としない。

解糖系は、グルコースをピルビン酸か乳酸に分解して、エネルギーを得る代謝経路です。
酸素があればピルビン酸になり、TCAサイクルに入ります。
酸素がなければ乳酸になります。
グルコースからピルビン酸(乳酸)になるまでの間に、ATPやエネルギーの素であるNADHを得ています。

(2)赤血球におけるATPの産生は、クエン酸回路で行われる。

赤血球におけるATPの産生は、解糖系で行われる。

クエン酸回路(TCAサイクル)は、ミトコンドリアで行われます。
解糖系と違って酸素がないとクエン酸回路は進みません。

ほんいつ
赤血球は解糖系でエネルギーを得ているんだね
(3)グルクロン酸経路(ウロン酸経路)は、ATPを産生する。

グルクロン酸経路(ウロン酸経路)は、ATPを産生しない。

グルクロン酸経路は、グルコースからグルクロン酸を産生する経路です。
グルクロン酸経路は解糖系の側路の一つで、解糖系のグルコース6リン酸が横道にそれてグルクロン酸経路に入ります。
グルクロン酸は肝臓で解毒に利用されます。

(4)ペントースリン酸回路は、脂質合成が盛んな組織で活発に働く。

ペントースリン酸回路は、グルコースから核酸・脂肪酸の材料を産生する回路です。
ペントースリン酸回路は解糖系の側路の一つで、解糖系のグルコース6リン酸が横道にそれてペントースリン酸回路に入ります。
ペントースリン酸回路は、ATPを産生しません。

(5)糖質の摂取は、血中遊離脂肪酸値を上昇させる。

糖質の摂取は、血中遊離脂肪酸値を低下させる。

糖質を摂取すると、エネルギーを脂肪酸から作る必要がなくなります。

ほんいつ
糖質がエネルギー源になるからだね
そのため、血中遊離脂肪酸値は低下します。

血糖の調節に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)食後には、グルカゴンは、筋肉へのグルコースの取り込みを促進する。

食後には、インスリンは、筋肉へのグルコースの取り込みを促進する。

グルカゴンは、血糖値を上昇させるホルモンで、血糖値を低下させるインスリンと逆の働きをもちます。
インスリンがランゲルハンス島β(B)細胞から分泌されるのに対し、グルカゴンはランゲルハンス島のα(a)細胞から分泌されます。
インスリンは血中のグルコースを細胞に取り込み、グルカゴンはグリコーゲンを分解して血中のグルコースを増やします。

(2)食後には、インスリンは、肝臓のグリコーゲン分解を促進する。

食後には、インスリンは、肝臓のグリコーゲン合成を促進する。
空腹時には、グルカゴンは肝臓のグリコーゲン分解を促進する。
(3)食後には、単位重量当たりのグリコーゲン貯蔵量は、肝臓よりも筋肉で多い。

食後には、単位重量当たりのグリコーゲン貯蔵量は、筋肉よりも肝臓で多い。

単位重量当たりのグリコーゲン貯蔵量は、肝臓で5-8%、筋肉で0.5-1%となっています。

コン
筋肉の方が濃度は低いんだね
ただ、筋肉の方が体重に占める割合は多いので、総量でいうと肝臓が100g、筋肉が200g程度のグリコーゲンを貯蔵しています。
(4)空腹時には、トリグリセリドの分解で生じたグリセロールは、糖新生に利用される。

糖新生に利用できるものとして、グリセロールの他に糖原性アミノ酸、ピルビン酸、乳酸などがあげられます。

コン
脂肪酸は糖新生には利用できないんだよね
(5)急激な無酸素運動時のグルコース生成は、主にグルコース・アラニン回路による。

急激な無酸素運動時のグルコース生成は、主にコリ回路による。

グルコース・アラニン回路は、筋肉で作られたアラニンというアミノ酸が肝臓で糖新生によりグルコースになる回路です。
飢餓状態で、体たんぱく質の異化が亢進しているときに働く回路です。

コリ回路は、無酸素運動時に、筋肉で嫌気的解糖により作られた乳酸が肝臓でピルビン酸を経て糖新生によりグルコースになる回路です。
作られたグルコースは筋肉でエネルギーとして利用されます。

摂取するたんぱく質の量と質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)飢餓時には、窒素出納が正になる。

飢餓時には、窒素出納が負になる。

窒素出納とは、摂取したたんぱく質に含まれる窒素の量と排泄した窒素の量の釣り合いのことです。
健康な人ではプラスマイナス0になります。

成長期・妊娠期だと食べた量に対して少ない窒素が排泄される(体にたんぱく質が多く蓄積される)ので、窒素出納は正になります。
飢餓状態や手術後だと体たんぱく質の分解が進み、食べた量に対して多くの窒素が排泄されるので、窒素出納は負になります。

(2)過剰なたんぱく質の摂取は、アミノ酸の異化を亢進する。

たんぱく質は体の中でアミノ酸に分解されます。
体内のアミノ酸は、常に一定量になっていて、それを超えたアミノ酸は異化されてエネルギーに利用されます。

コン
体内に貯蔵されているアミノ酸をアミノ酸プールというよ
脂肪みたいにたくさん貯めておけたらいいのにね・・・
ほんいつ
(3)たんぱく質効率(PER)は、生物価に消化吸収率を加味する。

正味たんぱく質利用率は、生物価に消化吸収率を加味する。

たんぱく質効率(PER)は、たんぱく質の栄養価を評価する方法の一つです。
摂取したたんぱく質に対する体重増加量からたんぱく質の質を評価します。
正味たんぱく質利用率(NPU)は、生物価×消化吸収率×1/100、または体内保留窒素量÷摂取窒素量×100で求めます。
摂取した窒素のうち、体内に残った窒素量の割合を求めます。

ほんいつ
排泄されず体内に残った量ということは、利用された量ということになるね
(4)アミノ酸価は、摂取エネルギー量に影響される。

アミノ酸価は、摂取エネルギー量に影響されない。

アミノ酸価は食品ごとの不可欠(必須)アミノ酸のバランスを評価したものです。
1つでも不足する不可欠アミノ酸があると、他の必須アミノ酸もきちんと利用できません。

(5)可欠アミノ酸は、体たんぱく質合成に利用されない。

可欠アミノ酸は、体たんぱく質合成に利用される。

不可欠アミノ酸、可欠アミノ酸は合わせて20種類ありますが、すべて体たんぱく質合成に利用されます。

脂質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンにより亢進する。

ホルモン感受性リパーゼの活性は、インスリンにより低下する。
ホルモン感受性リパーゼの活性は、グルカゴン、アドレナリン等により亢進する。

ホルモン感受性リパーゼは、空腹時に働き、貯めておいたトリグリセリドを分解して脂肪酸として血中に放出します。

(2)脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にリポたんぱく質リパーゼにより分解される。

脂肪細胞内のトリグリセリドは、主にホルモン感受性リパーゼにより分解される。

リポたんぱく質リパーゼは、食後に働き、カイロミクロンやVLDLなどのリポたんぱく質が運ぶトリグリセリドを分解し、脂肪組織に貯蔵します。

ほんいつ
いったんトリアシルグリセロールを脂肪酸とグリセロールに分解して取り込んだ後、再びトリグリセリドとして貯蔵されるよ
リポたんぱく質リパーゼとホルモン感受性リパーゼがごっちゃにならないようにしよう!
コン
(3)食後は、肝臓でケトン体の産生が促進する。

食後は、肝臓でケトン体の産生が低下する。

空腹時、グルコースが足りないので脂肪酸はβ酸化され、アセチルCoAとなります。
アセチルCoAがクエン酸回路に入ることでエネルギーとなるのですが、アセチルCoAが過剰になると、肝臓でアセチルCoAをもとにケトン体が作られます。

ほんいつ
アセト酢酸やアセトンがケトン体です
食後は脂肪酸をβ酸化する必要がないので、ケトン体の産生は低下します。
(4)カイロミクロンは、小腸上皮細胞で合成される。

食事でとった脂質は、最終的に小腸で吸収されます。
吸収された脂質はカイロミクロンを形成し、リンパ管を通って食事由来のトリグリセリドを全身に配ります。

(5)VLDLのトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより高い。

VLDLのトリグリセリド含有率は、カイロミクロンより低い

主なリポたんぱく質をトリグリセリド含有率で並べると、
カイロミクロン>VLDL>IDL>LDL>HDL
となります。

コレステロールに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)エストロゲンは、血中LDLコレステロール値を上昇させる。

エストロゲンは、血中LDLコレステロール値を低下させる。

ほんいつ
閉経後、エストロゲンの分泌が低下すると血中LDLコレステロール値は上昇しやすくなります
ほかにも骨吸収を抑えたり、エストロゲンっていろんな作用を持つんだね
コン
(2)コレステロールの合成は、フィードバック阻害を受けない。

コレステロールの合成は、フィードバック阻害を受ける。

コレステロールは、アセチルCoAから作られます。
コレステロール合成ではHMG-CoA還元酵素という酵素が働きますが、
この酵素はコレステロールにより働きが抑制されます。
このように、ある反応における生成物が、その反応を触媒する酵素の働きを抑制することをフィードバック阻害といいます。

ほんいつ
作りすぎ防止というわけだね
(3)HDLは、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の作用によりコレステロールを取り込む。

レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)は、血中HDLと結合している酵素です。
遊離コレステロールをコレステロールエステルに変換することで、HDLがコレステロールを取り込むことができます。

(4)コレステロールは、ペプチドホルモンの前駆体である。

コレステロールは、ステロイドホルモンの前駆体である。

ペプチドホルモンはタンパク質がもとになったホルモンで、インスリンやグルカゴンなどがあります。
ステロイドホルモンはコレステロールがもとになったホルモンで、グルココルチコイドやミネラルコルチコイドなどの副腎皮質ホルモンと、エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンがあります。

(5)胆汁酸は、胆嚢で産生される。

胆汁酸は、肝臓で産生される。

胆汁酸は、コレステロールをもとに作られます。
胆汁の成分として、脂質の乳化やミセル形成などに働きます。

コン
胆嚢は、作った胆汁をためておくところ!

脂溶性ビタミンに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)吸収された脂溶性ビタミンは、門脈に流れる。

吸収された脂溶性ビタミンは、リンパ管に流れる。

小腸で脂質が吸収され、カイロミクロンを形成しますが、脂溶性ビタミンも一緒にカイロミクロンに取り込まれます。
カイロミクロンはリンパ管を通って全身にトリグリセリドを配り、最終的に肝臓にいきます。

(2)ビタミンAは、遺伝子発現を調節する。

DNAの遺伝情報に基づいてたんぱく質が合成されることを遺伝子の発現といいます。
ビタミンAは、他に光の認識や上皮細胞の維持に関わっています。

(3)ビタミンDは、腸内細菌により合成される。

ビタミンKは、腸内細菌により合成される。
ビタミンDは、紫外線照射により合成される。

ビタミンD3の前駆体である7デヒドロコレステロールや、ビタミンD2の前駆体であるエルゴステロールは、紫外線照射によって合成されます。
7デヒドロコレステロールは皮膚で合成されます。
エルゴステロールはきのこに多く含まれています。

コン
しいたけを天日干しした干ししいたけはビタミンDたっぷりなんだね
こちらでもう少し詳しく解説してます!
ほんいつ
(4)ビタミンEは、膜脂質の酸化を促進する。

ビタミンEは、膜脂質の酸化を抑制する。

ビタミンEは、酸化の原因である活性酸素やフリーラジカルとくっついて、周りが酸化するのを防ぎます。
フリーラジカルは片割れがいなくなって反応しやすい分子や原子のこと、活性酸素はもっと反応しやすい酸素分子のことです。
どちらも、過剰になると細胞を傷つけてしまいます。

ほんいつ
ビタミンEを含む栄養機能食品には、「ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。 」と記載されるよ!
(5)ビタミンKは、血液凝固を抑制する。

ビタミンKは、血液凝固を促進する。

ビタミンKは、腸内細菌により合成されるビタミンで、血液凝固因子の産生に関わっています。
産生にビタミンKが必要な血液凝固因子はⅡ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹの4つです。

コン
にくなっとうでおなじみ
凝固因子のⅡは、よくきくプロトロンビン
ほんいつ
ビタミンKが欠乏すると血液凝固障害がみられます。
特に、腸内細菌の発達していない新生児では、ビタミンKの不足により新生児メレナを引き起こすことがあります。
その予防のために、ビタミンK2シロップを投与します。
ほんいつ
新生児メレナの症状としては下血や吐血があるよ

水溶性ビタミンに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ビタミンB1は、ピルビン酸をアセチルCoAに変換する反応の補酵素である。

ピルビン酸をアセチルCoAに変換した後、アセチルCoAはクエン酸回路に入りエネルギーを作ります。
そのため、ビタミンB1はエネルギー産生に必要なビタミンだといわれています。
ビタミンB1の欠乏症には脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群があります。

(2)ビタミンB6必要量は、たんぱく質摂取量の影響を受けない。

ビタミンB6必要量は、たんぱく質摂取量の影響を受ける。

ビタミンB6は、ピリドキサールリン酸(PLP)として、アミノ酸代謝に関与しています。

ほんいつ
上の方のたんぱく質に関する設問で、「過剰なたんぱく質の摂取はアミノ酸の異化を亢進する」というのがあったよね。たんぱく質をたくさんとると、異化が亢進するので、ビタミンB6の必要量もその分増えるよ
(3)ナイアシンは、グルタミン酸から合成される。

ナイアシンは、トリプトファンから合成される。

トリプトファンは必須アミノ酸です。
体内では、トリプトファン60mgをナイアシン1mgに変換することができます。
ナイアシンはエネルギー代謝に関わるビタミンで、欠乏症にはペラグラがあります。

ほんいつ
ペラグラは、皮膚炎や頭痛などの症状を引き起こします
(4)ビタミンB12は、主に空腸で吸収される。

ビタミンB12は、主に回腸で吸収される。

ビタミンB12の吸収には胃で分泌されるキャッスル内因子が必要です。
そのため、胃切除後などは内因子が十分に分泌されず、ビタミンB12が吸収できなくなります。
ビタミンB12はアミノ酸や糖質の代謝、核酸の合成に関わっていて、赤血球の産生にも関与しています。

ほんいつ
ビタミンB12が欠乏して核酸合成がうまくいかなくなると、正常な赤血球を産生できなくなるんだ
ビタミンB12が欠乏すると、巨赤芽球性貧血を引き起こします。
コン
悪性貧血では? と思ったあなた、こちらを見てみてください
(5)ビタミンCは、還元型ビタミンEを酸化型に変換する。

ビタミンCは、酸化型ビタミンEを還元型に変換する。

ビタミンEが酸化することで回りの酸化を防ぐと、酸化型ビタミンEになります。
そこへビタミンCがくると、ビタミンCが酸化を引き受けて酸化型ビタミンEは還元型ビタミンEに戻ります。

ほんいつ
ビタミンCが代わりに酸化して、周りの酸化を防ぐって感じ
ビタミンCは抗酸化作用やコラーゲン生成など様々なはたらきを持ちます。
ビタミンCが欠乏すると壊血病をきたします。

鉄に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)鉄は、汗に含まれる。

汗には鉄以外にもカルシウムやナトリウムなどのミネラルが含まれています。
汗だけでなく、尿や糞便にも含まれています。

(2)鉄の吸収率は、ヘム鉄よりも非ヘム鉄の方が高い。

鉄の吸収率は、非ヘム鉄よりもヘム鉄の方が高い。

吸収率は、ヘム鉄が25~35%、非ヘム鉄が5%程度となっています。
ヘム鉄は動物性食品、非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれています。

コン
卵と牛乳は動物性食品だけど、含まれるのは非ヘム鉄だよ!
(3)非ヘム鉄は、3価鉄として吸収される。

非ヘム鉄は、2価鉄として吸収される。

非ヘム鉄はそのままだと3価鉄で、ほとんど吸収されません。
胃酸やビタミンCの作用で2価鉄になって吸収されます。

ほんいつ
鉄の吸収は、ビタミンCやクエン酸、動物性たんぱく質が促進して、シュウ酸やタンニンなどが阻害するよ
(4)貯蔵鉄は、トランスフェリンと結合している。

貯蔵鉄は、フェリチンと結合している。
輸送鉄は、トランスフェリンと結合している。

トランスフェリンは、鉄を運ぶたんぱく質です。

コン
だから、「貯蔵」された鉄とは結合しない・・・わかりやすいね
フェリチンは、肝臓や脾臓などで鉄を貯蔵するたんぱく質です。
(5)ヘモクロマトーシスは、鉄の欠乏症である。

ヘモクロマトーシスは、鉄の過剰症である。

全身に鉄が沈着し、疲労感や肝疾患、糖尿病などがみられます。
鉄の欠乏症には鉄欠乏性貧血があります。

体水分に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)体重1kg当たりの水分量は、体脂肪率が高い者の方が低い者より多い。

体重1kg当たりの水分量は、体脂肪率が高い者の方が低い者より少ない。

筋肉や臓器の水分含有量は75~80%ですが、脂肪組織の水分含有量は30%程度です。

コン
あっ、脂肪の方が水分が少ないんだね
体脂肪計なんかは、体に電気を通してその流れやすさで体脂肪率を測っているんだよ。水分は電気を通しやすいので、電気が通りにくいと脂肪が多いということになるね
ほんいつ
(2)成人の体水分の分布は、細胞内液よりも細胞外液の方が多い。

成人の体水分の分布は、細胞外液よりも細胞内液の方が多い。
成人の体水分の分布は、細胞内液よりも細胞外液の方が少ない。

体水分は体重の55~60%を占めています。
細胞内液は体重の40%、細胞外液は体重の20%となっています。

ほんいつ
細胞内液は体水分量の65%、細胞外液は体水分量の35%を占めると言い換えることもできるよ
細胞内液はそのまま、細胞内の水分。細胞外液は組織間液や血漿、リンパ液のことをいうんだったね
コン
(3)栄養素1g当たりの代謝水は、脂質が最も多い。

栄養素がエネルギーになるまでに生成される水を代謝水といいます。
糖質で0.56ml、たんぱく質で0.34ml、脂質で1.07mlとなっています。
代謝水は、1日で約250~300mlほど作られています。

(4)不可避尿量は、飲水量に影響される。

不可避尿量は、飲水量に影響されない。
随意尿は、飲水量に影響される。

不可避尿は代謝産物を排出するために必要な尿のことです。
水分を摂取しなくても、1日に400~500ml生成・排泄されます。
随意尿は摂取した水分量に影響され、1日に約1000ml排泄されます。

(5)水分必要量は、不可避尿量と等しい。

水分必要量は、1日の損失水分量と等しい。

水分は、不可避尿、随意尿、糞便中の水分、汗、不感蒸泄として排泄されます。
これらの総量が水分必要量となります。

ほんいつ
不感蒸泄は汗以外に皮膚や呼気から蒸発する水分のことです
汗はかいているのが分かるけど、不感蒸泄は特に感じないんだね
コン
ほんいつ
あと、不感蒸泄は汗と違って電解質を含まないということも覚えておこう

エネルギー消費量に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)基礎代謝量は、体脂肪率に比例する。

基礎代謝量は、除脂肪体重に比例する。
(2)安静時代謝量は、基礎代謝量より高い。

基礎代謝量は、早朝空腹時に20℃前後の快適な室内で、仰臥位で測定します。
消化管も動いていない、体温調節もしなくていい、筋肉もほとんど必要ない、エネルギー消費が最小限である状態です。
安静時代謝量は、基礎代謝量のような制約はなく、仰臥位・座位で安静にしているときのエネルギー消費量です。
安静時代謝量は基礎代謝量よりも10~20%高くなります。

(3)メッツ(METs)は、1日のエネルギー消費量を基礎代謝量の倍数で表したものである。

メッツ(METs)は、身体活動の種類(歩く、走る等)ごとのエネルギー消費量を示す指標である。

安静時を1として、身体活動時のエネルギー消費が安静時の何倍かを示す単位です。
安静時が1.0メッツ、普通歩行が3.0メッツ、ゆっくりとしたジョギングが6.0メッツとなっています。

コン
つまり、ゆっくりとしたジョギングは安静時の6倍エネルギーを消費するってことか
(4)身体活動レベル(PAL)は、身体活動の種類(歩く、走る等)ごとのエネルギー消費量を示す指標である。

身体活動レベル(PAL)は、1日のエネルギー消費量を基礎代謝量の倍数で表したものである。

身体活動レベルⅠ(1.50)低い・・・生活の大部分が座位
身体活動レベルⅡ(1.75)ふつう・・・座位中心の仕事だが、移動や立位での作業、通勤や買い物での歩行や家事、軽いスポーツのいずれかを含む
身体活動レベルⅢ(2.00)高い・・・移動や立位の多い仕事、活発な運動習慣を持つ

ほんいつ
()内が倍数ということ
これは、栄養士も仕事でよく使う指標だね
コン
(5)食事誘発性熱産生(DIT)は、1日のエネルギー消費量に含まれない。

食事誘発性熱産生(DIT)は、1日のエネルギー消費量に含まれる。

食事誘発性熱産生(DIT)は、食事摂取により、エネルギー代謝が増えて体温が上昇することをいいます。
DITで発生したエネルギーは運動エネルギーとしては利用できず、体温の保持に利用されます。

コン
だから食後は体温が高くなるんだね

エネルギー代謝とその測定法に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は、たんぱく質より糖質が大きい。

物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は、糖質よりたんぱく質が大きい。
物理的燃焼値と生理的燃焼値の差は、たんぱく質より糖質が小さい。

物理的燃焼値は栄養素を燃焼させた時のエネルギー産生量のことで、
糖質4.1kcal、たんぱく質5.7kcal、脂質9.5kcalとなっています。
生理的燃焼値は、栄養素が生体内での消化吸収率を考慮したエネルギー産生量のことで、
糖質4kcal、たんぱく質4kcal、脂質9kcalとなっています。
生理的燃焼値はアトウォーター係数として知られています。

(2)呼吸商は、消費された酸素量を排出された二酸化炭素量で除して求める。

呼吸商は、排出された二酸化炭素量を消費された酸素量で除して求める。

呼吸商とは、栄養素の燃焼時に使用された酸素量に対する排出された二酸化炭素量のことです。
排出された二酸化炭素量÷消費された酸素量で求めます。

(3)糖質のみが燃焼した時の呼吸商は、0.7である。

糖質のみが燃焼した時の呼吸商は、1.0である。
脂肪だけが燃焼した時の呼吸商は0.7である。

糖質は1.0、たんぱく質は0.8、脂質は0.7となります。
つまり、糖質は使用した酸素と排出する二酸化炭素が同量であり、たんぱく質と脂質は消費した酸素に対して排出する二酸化炭素が少ないということになります。

ほんいつ
この数字は覚えちゃった方がいいね
(4)間接法は、身体から放散される熱量を測定する方法である。

直接法は、身体から放散される熱量を測定する方法である。

間接法ではダグラスバッグを用いて、呼吸で吸った酸素量と排出した二酸化炭素量、尿中の窒素排泄量等からエネルギー消費量を推定します。

ほんいつ
この方法だと運動時のエネルギーも測定できるところがポイント!
直接法は安静時しか測定できないうえ、大きな装置が必要なんだよね
コン
直接法では専用の室内で、体内から発生する熱を水に吸収させて、その水温上昇からエネルギー消費量を推定します。
(5)二十標識水法は、安定同位体を用いる方法である。

陽子の数が同じだけど中性子の数が違う元素のことを同位体といいます。
放射能を持つ同位体を放射性同位体、持たないものを安定同位体といいます。
酸素の安定同位体と水素の安定同位体で構成された水を二十標識水といい、これを飲んで、尿中の同位体がどれだけ減ったかをみることで、エネルギー消費量を測定します。
エネルギー消費量が多いと、酸素の同位体がはやく減ります。

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