応用栄養

【管理栄養士²】新生児・乳児の栄養【解説】

新生児・乳児の栄養

コン
ライフステージごとの栄養を勉強しようと思うんだけど…赤ちゃんが最初ミルクしか飲まないのって結構すごいよね!?
そういわれると…。それで数か月でびっくりするくらい大きくなるしね
ほんいつ
コン
というわけで、今回は新生児・乳児の栄養について教えて~
よし! 乳汁栄養から離乳食までやっていこう!
ほんいつ

母乳栄養・人工栄養

新生児・乳児は離乳食の開始まで乳汁栄養となります。
乳汁栄養には母乳によるものと人工乳によるものがあります。
それぞれ成分に違いがありますので、詳しく見ていきましょう。

母乳栄養

母乳栄養は、その名の通り母乳による栄養です。
授乳
母乳には出産後5日くらいまでに出る初乳と、その後の成熟乳があります。
初乳は黄色っぽく少し粘りのある液体です。

初乳にはラクトフェリンやリゾチーム、IgAなどの免疫物質が多く含まれているのが特徴です。
エネルギーや脂質、糖質が少なく、ミネラルが豊富に含まれています。

ほんいつ
母乳に含まれる脂質は、多価不飽和脂肪酸!
初乳は、成長のためのものというより、胎内から出てきた新生児を守るために
免疫を高めるはたらきが強いといえます。
ほんいつ
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、外の世界は刺激が強いもんね
粉ミルク
成熟乳は白くてさらさらした液体です。
新生児の成長を補うものですので、エネルギーや脂質が多くなっています。

特に乳糖が牛乳の1.5倍ととても多くなっています。
一方で、ミネラルは少なくなっています。

コン
赤ちゃんを守るため、成長させるために成分まで変わっちゃうなんて、すごいね!
ほんと、不思議だよね~
ほんいつ
母乳と牛乳を比較すると、
糖質と鉄は母乳のほうが多く、タンパク質とカルシウムは牛乳に多く含まれています。
母乳のほうが消化しやすいようです。

便は黄色、緑色で酸っぱいにおいがします。
腸内でビフィズス菌がよくはたらいているためです。
ビフィズス菌大群

母体から胎児に移行するもの

母体からは、胎盤を通していろいろな栄養素が胎児に送られます。
母体から胎児に移行するもの
中でも免疫グロブリンのIgGは、唯一胎盤を通過できる抗体です。

体にいいものだけでなく、悪いものも胎盤を通過します。
アルコールカフェインなどは胎児に蓄積され、悪影響を及ぼします。
流産や死産につながる場合もあるので注意します。

また、ウィルスの成分も胎児に移行しますので、
妊婦の健康管理は平時以上に気を付けなければなりません。

ほんいつ
薬飲めないのはつらい~
飲み物もノンカフェインのものにしたり、生活習慣を変えなければいけない場合も多いね
コン
ほんいつ
ちなみに、胎盤を通過しないもので大事なのがインスリン! インスリンは血糖を下げる働きを持つけれど、胎盤を通過しないので、妊婦の糖尿病治療では血糖降下薬ではなくインスリン注射を選択します
なるほど~! 通過しないことを利用するのね
コン

人工栄養

人工乳による栄養を人工栄養といいます。
育児用ミルクを母乳の代わりに与えます。
ミルクの粉や液をお湯で薄めて作りますが、成長に合わせて濃度を変えたりはせず、
同じ濃度を与え続けます。
これを単一処方といいます。

育児用ミルクの成分は免疫グロブリンなどが含まれていないものの、
母乳に近づくように作られています。

便は薄い黄色、褐色で便臭がします。
母乳栄養に比べて腸内のビフィズス菌が少ないためです。

ほんいつ
人工栄養がダメだという人もいるけど、状況に合わせて選択すればいいと思います
母乳の量にも個人差があるしね。栄養士はそこらへんをちゃんと理解して、お母さんが不安にならないようフォローしていこう!
コン

乳児期の栄養

水分

乳児期は不感蒸泄量が多いので、水分補給も重要です。

ほんいつ
不感蒸泄とは、知らないうちに皮膚や呼吸で失われる水分のこと。汗と違って電解質は含まれないよ
脱水に注意だね
コン
ほんいつ
そのとおり! 大人の水分量は体重の60%程度だけど、赤ちゃんはなんと80%なんだ
ひえ~、そりゃ、水分が必要になるわけだ!
コン

新生児では、妊娠後期母体からもらった鉄分で血液を作ります。
また、ヘモグロビン濃度が高いため、それを分解することでも鉄を得ます。
生後6か月頃まではそれらを使いますが、その後は補給しなければ鉄が足りなくなり、
鉄欠乏性貧血を引き起こします。

ほんいつ
特に母乳に含まれる鉄が少ないため、母乳栄養児で鉄欠乏性貧血がみられることが多いよ
そこで、乳児期の6~11か月では、鉄に推定平均必要量、推奨量が設定されています。
鉄必要量
離乳食では、鉄分補給を意識しましょう。
ほんいつ
後期では、食べられる食材が増えてくるんだ。また、鉄は組織や機能の発育・発達に必要な成分だから、成長の著しい乳児期、思春期には特に摂取に気を付けたいね

ビタミンK

ビタミンKは、新生児・乳児期の項目でよくでてくる栄養素です。
ビタミンKは血液凝固因子の産生に必要なビタミンです。

ほんいつ
ビタミンKがないと作られない血液凝固因子にはⅡ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹがあるよ。語呂合わせで2、9、7、10、にくなっとうで覚えるといいって教わったなあ
ビタミンKの不足により、新生児メレナ頭蓋内出血がみられます。
新生児メレナは出生後数日中に下血や吐血がみられます。
頭蓋内出血は、生後1か月くらいのビタミンK欠乏でみられます。
コン
そもそもなんでビタミンKが欠乏するの??
おっ、いいこと聞いてくれたね
ほんいつ
ビタミンKの中でもビタミンK2は腸内細菌によって合成されるので、
基本的にはビタミンKの欠乏は起こりにくいといえます。
K2シロップ
ただ、新生児では腸内細菌が十分でなく、ビタミンK2を十分に合成できません。

また、ビタミンkは胎盤を通過しにくいため母体からの蓄えが少ないこと、
母乳にビタミンK含有量が少ないこともビタミンK不足の要因となっています。

出生後、生後1週間、生後1か月と3回ビタミンK2シロップを投与して、ビタミンK不足を予防します。

ほんいつ
母乳栄養だと、さらにたくさんシロップ投与することが推奨されているよ

ビタミンD

ビタミンDは消化管からのカルシウム吸収を促す栄養素です。
骨を作ったり、骨の成長を促します。
不足すると骨石灰化が低下し、骨がやわらかくなり変形するくる病を引き起こします。

コン
大人になったら骨軟化症っていう名前になるんだっけ??
そのとおり!こちらの動画で骨について詳しく解説しています
ほんいつ

離乳食

離乳食は哺乳反射が弱くなってくる生後5~6か月後に開始します。

ほんいつ
哺乳反射というのは、乳首をくわえたり吸ったりすることだよ
スプーンを口に入れたときに舌で押し出すことが少なくなったりする頃です。
離乳食は、乳児の成長によって与えるものが変わってきます。

5、6か月頃・離乳初期

1日1回、1さじずつ始めます。

コン
1日1回!?
離乳初期では、離乳食で栄養素を補給することを目的としていないんだ。食べ物に慣れることが目的だよ
ほんいつ
コン
へえ~
だから、母乳やミルクは好きなだけ飲んでOK!
ほんいつ
つぶしたおかゆなど、ドロドロとしたものを与えます。
おかゆだけでなく、野菜や豆腐、卵黄等もつぶしてドロドロにしたものを与えます。
味つけはしません

味つけはしません

食材も少しずつ種類を増やしていきます。
魚の場合白身魚から始め、離乳が進むにつれ赤身魚、青魚と種類を増やします。
卵も卵黄から始めて、そののち全卵へと進みます。

7、8か月頃・離乳中期

1日2回に回数を増やします。

全粥程度の、舌でつぶせる固さのものを与えます。
様々な食材を組み合わせます。
魚などぱさぱさするものにはとろみをつけて飲み込みやすくしたりします。

母乳は子供が欲しいだけ、育児用ミルクは1日3回程度与えます。

9~11か月頃・離乳後期

1日3回の食事で、食事・生活リズムを作っていきます。

全粥~軟飯程度の歯ぐきでつぶせる固さのものを与えます。
このころに鉄が不足しやすいので、赤身魚レバーで補給します。

母乳は子供が欲しいだけ、育児用ミルクは1日2回程度与えます。
コップで飲む練習をし始めるのもこの時期です。

12~18か月頃・離乳完了期

1日3回の食事を続けているので、生活リズムが整ってきます。
軟飯~ごはん程度の、歯ぐきで噛める固さのものを与えます。
様々な食材や調理法を用いて偏りのないようにします。

3回の食事のほかに、果物やイモ類などでおやつをとります。
母乳や育児用ミルクは離乳食の摂取状況や進み具合に応じて与えます。

ほんいつ
ポテチはまだ早いよ!

はちみつ

はちみつは生後1歳未満の乳児には与えないようにします。

1歳未満の乳児では腸内細菌が十分でないためボツリヌス菌が繁殖しやすく、
はちみつの摂取により乳児ボツリヌス症を発症することがあります。

コン
こわ~! 体にいいと思ってたはちみつも、赤ちゃんには危険なんだ
気を付けよう!
ほんいつ

フォローアップミルク

離乳期に不足しやすい栄養素を補給する目的
フォローアップミルクを使用することがあります。

不足しがちなタンパク質カルシウムを多く含んでいます。
生後9か月以降の乳児に使用できます。

離乳食をうまく食べてくれないときや、食べる食材に偏りがあるときなど、
離乳食だけでは十分な栄養素を補給できていない場合に与えます。

そのため、使用しない場合もあります。

母乳や育児用ミルクとは別物ですので、代わりにはなりません。

コン
これは名前からしてわかりやすい♪

まとめ

新生児期・乳児期の栄養は生まれたばかりということや、著しい成長がみられるということで、
たくさんの項目があります。
ただ、母乳や育児用ミルク、離乳食など馴染みのあるものも多いので、頑張って覚えていきましょう。
インターネットで離乳食など検索してみると、より具体的に覚えることができますよ。

コン
自分で作ってみて食べてみるのもいいかもね
保育園で離乳食を作っていた時、味見したけど結構おいしく感じたよ~
ほんいつ

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